母親が風邪をひいた。

仕方ないので家族みんなの弁当を買って帰ることにした。




妹はこの弁当にしよう。
母親は蕎麦なら食べれるんじゃないだろうか。
親父は帰ってくるのだろうか。
僕は寿司にしよう。

家族の顔を思い浮かべながら、それぞれが喜びそうな弁当を選んだ。



レジの前に立った時、店員が僕に聞いた。

お箸は何膳必要でしょうか?



僕は迷わず答えた。「一膳で」と。




僕はどうやら食いしん坊に思われたいみたいだ。